君の顔が好きだ。

ぼくの話を聞いてくれ

音楽の向こう側、星野源が見せてくれる明るい未来の話。【後編】

 

 

というわけで後半戦、ライブ終盤のお話。
ちなみに前半戦はこんな感じでした。

 

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〜一流アーティストからのお祝いコメント〜

ドラえもん』終わり、「センキュー!!」と勢いよく締めると暗転する舞台。個人的に曲終わりの源くんの「センキュー!!」アリス時代の谷村新司さん感があって好きです。
予告通りのステージ移動に伴った休憩タイム・・・とはならないんですよこの人のライブ。もう毎回恒例の悪ふざけですね。無駄に豪華なこのコーナー。そう一流アーティストからお祝いのコメントが来てるんですよ。
登場するのはおなじみバービーボーイズ(椿鬼奴・レーザーラモンRG)、みんな大好きお兄ちゃんの赤えんぴつ(バナナマン)、会場を気持ち悪くさせてくれた井上陽水(神無月)の皆さん。
どの一流アーティストさんも最高なんですが、中でも赤えんぴつa.k.a.バナナマンのお二人、星野さんとの思い出を聞かれると毎回「源くんとはホントバカなことやったよねぇ!」と語り出すのが恒例で良い。今回は源くんの可愛かった瞬間を教えてくれました。

 

11.ばらばら(弾き語り)

一流アーティストの皆さんからのメッセージが終わると客席、ステージに照明が。しかしセカンドステージにはいつまでも源くんが現れる様子はなく・・・。ここでこの男がまたやってくれました。そう、客席で歌うんだよなぁ〜〜〜!!!!!!!!
「どうも〜!」と現れたのはステージ後方のカメラ席風ステージ。「客席の中で歌ってみたかったんです」とスタッフ仕様のアノラックジャケットを着て変装した星野源が話し出す。
披露するのは弾き語りの『ばらばら』。いや、この曲は今回のツアーではこの演出でやるべき曲で、本人にとってはやりたい曲だったんだろうな。

”世界はひとつじゃない ああそのまま ばらばらのまま
世界はひとつになれない ああこのまま どこかにいこう”

 

”あの世界とこの世界 重なり合ったところに 

たったひとつのものが あるんだ”

 

“世界はひとつじゃない ああそのまま 重なりあって

僕らはひとつになれない そのまま どこかにいこう”

 

ひとりだけど、ひとりぼっちじゃない時間がそこにはありました。

 

 

星野源mix(STUTS)〜

『ばらばら』を歌い上げると次こそセカンドステージに行くという源。しかしアリーナ規模の会場となるとステージ間の移動も相当大変なそうで「車で移動するんだよ!」なんて話も。移動中の時間、会場を任されたのはSTUTS!
ツービート公演の緊急事態ではジャムセッションで間を繋いだりしたことがありましたが、今回はなんとこの公演の為だけにSTUTSくんが星野源楽曲をリミックスしてひとつの音源にしたとのこと。
この時間、大体の人が座って休憩タイムしてたんだけど子どもたちがガンガン音に乗って揺れてるのね。「音楽ってこうじゃなくちゃね。いいじゃんね!!」って思いに襲われているとブチ込まれる聴き覚えのあるイントロ。いくつもの夜を使いはたしてきたオレたちのアンセム『夜を使いはたして』が始まるの!!!!

いや、たまんねっす。STUTS feat.PUNPEEで作られた名曲に星野源楽曲のサンプリングMIXにやられてると

“いいこと起きんじゃね 今夜”  が “いいこと起きんじゃね 源さん”
“こんな週末は 宝石のよう” が “こんなWeek Endは 宝石のよう”

なんて本公演のためにPUNPEEが歌い直したトラックが使われる始末。
本当に豪華なコーナーでした・・・!

 


12.KIDS

ようやくやってきたセカンドステージ。STUTSくんの周囲に続々とバンドメンバーが集っての記憶が正しければ『Continues』セッションタイム。最後に登場するのがもちろんオレたちの星野源!!
そっとSTUTSくんの所に寄って、肩を叩いて労うように笑いあっている姿にほっこり。
『KIDS』もかなり音源発表の時から好きだったから生演奏は興奮もので、このライブの中でもかなりジャムセッション感の強い時間に。バンドメンバーそれぞれの遊びが見ていて楽しい。カー様対STUTSくんのパーカッシブな対決や源くんの替え歌なんかもあって楽しい仕上がり。

 


13.プリン

そしてやって来るおふざけタイム。「毎回ここの時間が長すぎる!」と亮ちん、ハマくんからの苦情が入ったり「俺、長く話しすぎたかなぁ・・・」とカー様が不安になってしまうことで伝説となった『プリン』。「次は『プリン』という曲を・・・」と曲紹介すると客席から歓声が上がって「カップリングなのに知ってくれてて嬉しい!!」と興奮する源くんが見られましたよね。
みんながやりたい放題する曲中、カースケさんがタイムキーパーになったり、ハマくんがツアー中の思い出話をしてくれたりと、自由でそれでいてバンドの仲の良さを感じられる時間でした。

 


14.くせのうた

たくさん遊んだ後には真面目なお時間。「バンド形式でやるのは久しぶり」と源くんが話す『くせのうた』。『プリン』からのテンションの変わりように「次、大丈夫かな!?」と心配するバンドをよそに「大丈夫!大丈夫だ!」と自信満々な星野さんがかっこいい。
「25歳の時に作った曲」と話す源くん。今の星野源がひとりで歌い始めた当初の曲をやるっていうことが良い。悲しいような切ないような、でもそれだけじゃない温かさがそこには確かにあったよね。うん。

 

 

〜一流アーティストからのお祝いコメント〜

もう一度お祝いコメントタイムがやって来る会場。「誰が出るんだろうなぁ」と見ていると画面いっぱいに登場するビヨンセ(渡辺直美)。
卑怯。登場だけで全てを掻っ攫っていく直美ちゃんの名人芸と聖太さんのやり取りに思いっきり笑わせてもらうと、次に登場したのは雅マモル(宮野真守)とウソノ晴臣(ハマ・オカモト)さん。アルバム『POP VIRUS』の特典映像にも登場した2人。今ではすっかりバイト先の先輩後輩として仲良くしているそうで・・・
コメント終盤にはウソノさんから「いつか星野くんと共演したいなぁ!」なんて丁寧な前振りもあったりして。

 


15.化物

お祝いコメントのVTRが終わると登場する源くん。衣装は赤パーカーに戻ってました。
この曲も色んな取り方ができると思うんですが、今回のライブで言えばもう一度何かが始まる期待感に包まれる一曲。“地獄の底から”で親指を下に向けるハンドサインをする星野さんがカッケー。そしてこの曲も照明との演出が大好きで、曲終わりの“知らぬ僕をせり上げてく”の「く」と同時に会場の照明が落とされて真っ暗になるんです!!!!

 


16.恋

「皆さん一緒に踊ってくれますか?」と始まる『恋』!
いや、数万人の恋ダンス凄いっす。もちろん本人もイレブンプレイに混じって踊るわけでして。札幌ドーム公演では振り付けを間違えていたような・・・記憶が曖昧。
もうお腹いっぱいだよ、と思いつつも何回聴いても踊ってしまうのはしょうがないね。

 


17.SUN

 問答無用に踊る日本!ジャパン!フジヤマ!スシ!テンプラ!的な一曲。
何回だって僕たちは「君の声を聞かせて」と星野源と思い思われる関係でいたい。今を踊るしかないんだよな〜〜〜!!!!なんてハピネスなマインド全開で聴いていると、エスカレーター的な装置に乗って跪いて“祈り届くなら”と歌い流されていく星野源。ホントそういうとこな????(好き)

 


18.アイデア

最高音楽空間が出来上がった興奮覚めやらない中で「自分がいる日本、東京という場所からどこの場所に持って行っても恥ずかしくないものを作りたかった」と話す星野源
YELLOW MUSICというライフワークを見つけた彼が、その先に見出した新しい音楽。その象徴的な立ち位置にある『アイデア』が歌われる。
ツアー終了直後に行われたというインタビュー番組の中で彼は「『アイデア』というのは複数の問題を一気に解決するものである」という任天堂宮本茂氏の言葉をこの曲への思いを語る時に口にしていた。何もかもを詰め込んだからこそ見える新しい音楽の姿がこの曲にはあると思う。
演出的にはこの曲で銀テープが発射されましたね。確か弾き語りパートからのセグウェイからの最後のサビで銀テープだったかな。そしてモニターに映し出される映像がほんのりエフェクトがかけられていたようで、PVと似た色調で映し出されていたのがオタクとしては興奮しましたね。
札幌アリーナ公演では、いつかやってくれるんじゃないかと期待していた「“にこやかに中指を”で中指を立てる星野源」が見られたのが何より感慨深い瞬間でした。

 


19.Week End

本当に本当に大大大大大大大好きな曲。
今、この瞬間を生きる僕たちの歌。
この曲は当時の、そしてもちろん今の星野源の思いを強く反映している曲だと思う。その上で受手側にも関わらず偉そうな言い方をすると、もう既にこの曲はリスナーのものになっている気がしてる。
『恋』で踊る楽しさの共有を促した彼が、客席に次に求めることは「自由に踊ってください!」ああ、幸せだなぁってな具合に多幸感で涙が出て来るイントロが流れ始める。
僕らは以前に比べていくらか好きに踊れるようになった気がする。踊り方を思い出したり、学んだり、感じたり。星野源の音楽は日本人に踊る楽しさを教えてくれた。これからもこんな音楽が鳴り続けてくれると良いなと思う。誰しもに平等にやって来る週末と終末に僕らには音楽が必要だ。

 

“今を踊る すべての人に捧ぐ
君だけのダンスを 世間のフロアに出て叫べ”

 

僕らは毎日を必死に生きていたり、たまには流すように過ごしてる。でもそのどんな瞬間にでも今を生きている全ての人が、自分のダンスをして良いと言ってもらえた。こんなに嬉しいことはない。でもそれはありのままの自分でいい、なんて言葉じゃなくて世間の目と向かい合ってもその他大勢になるんじゃなくて、自分のしたいことをして良いんだと自己肯定をしてもらえた気がした。
サビ終わりのハミングを客席に促してステージを所狭しと走り回る源くん。幸せな気持ちでいっぱいになった20代男性はボロボロに泣きながら歌いました。

 


20.Family Song

本編ラスト。未来を踊る約束をしたオレ達にやってきた最後の時間。
そんな時も「次で最後の曲なんですぅ〜・・・でもアンコールがあります!!!!」「あと3曲・・・!まだ全然終わんねぇの!」と笑顔の星野源
「もう終わっちゃう泣」的な演出をするんじゃなくて最後まで楽しませてくれる源くんがめっちゃすっきゃねんになる会場。
最後の曲だけど笑顔でいっぱいの客席。歌詞に当てられて、毎日にある風景が急に愛おしくなってしまった。ピンク色の照明の中で舞うピンクの紙吹雪がとても綺麗でした。

 


〜アンコール〜

21.君は薔薇より美しい(星野源・ニセ明・ウソノ晴臣)

星野源の盟友、放送作家の寺ちゃんa.k.a.夢の外へ連れていかれたい男のアナウンスで始まるアンコール。
1曲目はもちろんこの曲。君は薔薇より美しい!!!!軽快なイントロと共に現れるニセさん。今日イチの歓声なのか悲鳴なのかわからない声と共に楽しげに歌い踊っているのをみんなで見守っているとバックバンドに見慣れないロングヘアのベーシストが1人…本編中のお祝いメッセージで「いつか共演したい」と言っていたウソノさんも出演する暴挙。「やべーマジモンのショータイムじゃんかよ!!」と興奮していると舞台袖から現れるのは星野源…!!
いや、ちょっと意味がわからなかった。
ここだけの話ニセさんと星野さんは大人の都合で共演出来なかったはずなんですが…
夢の共演、ニセさんと源くんやんけ!!!!と見惚れていると2人に駆け寄るウソノさん。楽しいが過ぎる人の曲を生バンドで歌う時間。

 

 

22.時よ(星野源・ニセ明)

「すごくダンスが好きなMVがあって…その曲をニセさんダンスめっちゃ上手いから一緒にやりたいんですよね!」と前フリがかかった『時よ』。
ニセさんと2人が向き合って鏡合わせになって手を合わせる振りがめちゃんこ可愛かったです。
“柵を手にして そこに立ち上がり”で毎回震えながらよたよた歩く星野さんが可愛い。
振り付けは全編間違いなく可愛いんですが、1番最後のアウトロにかけて披露される敬礼姿が急に凛々しい源になるのも最高です。

 


23.Hello Song

本当に本当に最後の曲。
東京ドーム公演2日目、静かに口を開いた星野源
「5万人の皆さんがいてくれるという安心感と、嬉しさと、時間と、なんだか愛みたいなものもすごく感じて・・・。すごく幸せな、面白い2日間でした。本当にありがとうございます!!これからも面白い音楽を作ろうと思いますので・・・是非、星野源をよろしくお願いします!!」
ほんの少し目頭を押さえたような、そして深々と客席に向けてお辞儀をして。そんな挨拶を残して始まる『Hello Song』。
アルバム発売時のディスクレビューでも使った言い回しですが、終わりなのに『Hello Song』。そういった遊び心というか洒落が効いたところが好きなんだよなぁ〜〜〜!!
「終わりは始まり」なんてフレーズは聞き飽きたと思っていたけれど。やっぱり本当のことらしい。終わりも始まりも越えて、多くの人に届いていく音楽の力強さは本当に心強い。曲中最後のサビ始まりに綺麗に会場を舞う金テープ。あんまりにも感動的な瞬間すぎて泣く。そして最後のワンフレーズに合わせて「クソみたいなことばかりだけど!また会えるならその時は笑顔で会いましょう!!!!」なんて言われてしまった。
星野源と約束してしまったおれたち。泣かずにいられないでしょ。

 

エンディング

最後のご挨拶はみんなで。セカンドステージにバンドメンバー、イレブンプレイ、ニセさん。全出演者の紹介をしていく。会場に流れるのは『Pop Virus』
「本当に今日はどうもありがとうございました!」と挨拶をしている星野源を置き去りに走り出すバンドメンバー。センターステージに戻っていくと思うと「みんな間に合うか!?」と源くんも走る。
そして生演奏に切り替わって披露される『Pop Virus』はもう客席を含めた大合唱になっていた。会場を隈なく見渡して歌う源くん。あの時、泣いてなかった?

 

 

今回のツアー、僕なんかがどうこう言うまでもなく現在の星野源の立ち位置的に120点な仕上がりだと思います。もちろん各々の求める良さと違うこともあるかも知れませんが、少なくとも彼のいまやりたい事を爆発させたステージだったんじゃないかなと。
そんな姿を見る中でいちファンとしてまたいち音楽好きとして、ひとりの人間の作った音楽を聴くために、数万人が同じ場所に集まるなんて夢があるなと思いました。
音楽が一つのコンテンツとして頭打ちだなんて言われる中で、「そんなことはないんじゃないか!?」と強く思わされます。
楽しいことはまだまだたくさんあるんだろうな。少なくとも僕にとっては、まだ聴いたことの無いような新しいような懐かしいような、そんな音楽を届けてくらるだろうと信頼できる星野源がいる、と再確認したツアーでした。
とにかく「また会えるから!」と源に言い切られてしまったのでそれを信じて色々ある毎日を過ごしていく所存。どんどん大きくなる『星野源』というイメージに反して、あいつ、いつまでも気持ちに寄り添う歌をうたってくるからどうにも今後も嫌いにはなれそうにありません。音楽は生活と一緒に続いていくよ。また僕らも笑顔であの場所で会おうな!!

 

 

ライブ本編丸々の感想文、これにて終了です。めちゃくちゃに長くて読みにくい仕上がりになってしまいましたが、ここまで読んでいただいて感謝っす・・・!